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朝日放送『ムーブ!』

NIPPONを支える外国人」

日中の架け橋:段躍中

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2008年7月25日放送)

 

 

朝日放送『ムーブ!』NIPPONを支える外国人」日中の架け橋:段躍中

オリンピックを間近に控え盛り上がっている中国。

だが、いまだに反日感情は残っている。

今回は日中友好のため、頑張っている中国人ジャーナリストを紹介。

 

 

 

'08年8月8日北京五輪開幕〕※〔〕内、画面表示、以下同

北京オリンピック開幕間近。急速に発展する中国。

しかし、民衆の間には未だ根強い反日感情。

 

〔ジャーナリスト編集者 段躍中(だん やくちゅう)(50歳)〕

そんななか両国の溝を埋めようと活動しているのが、ジャーナリスト、段躍中。 

 

〔日本在住39年 ジェフバーグランド(59歳)〕 

訪ねるのは、日本在住39年、アメリカ人ジェフバーグランド。 

NIPPONNを支える外国人、今回は中国人ジャーナリスト、段躍中さんです。

 

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〔ムーブ!放送スタジオ〕

司会NIPPONNで活躍する外国人の活動を通して、日本の良さを改めて見ていこうというこのコーナーですが、中国人ジャーナリスト!」

 

ジェフバーグランド京都外国語大学教授(以降、ジェフと敬称略)

「中国人ジャーナリストです。ちょうど北京オリンピック間近ですからね。中国は盛り上がっていますが、やっぱり中国と日本の間の溝が、なかなか埋まらない。それをなんとか埋めて、両国の架け橋の存在となろうとしている、非常に偉い人です」

司会「ジェフさんが訪ねてきました。ご覧いただきましょう。」

 

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〔東京池袋〕

巨大なビルが建ち並ぶ、東京池袋。少し離れた住宅街にある日本僑報社を訪ねました。

ジェフ「お邪魔しまーす」

「はい」

ジェフ「どうも、こんにちは。ジェフバーグランドです」

「はじめまして、段と申します」

 

〔日本僑報社〕

ジャーナリスト編集者、段躍中。91年に来日、96年日中関係専門の出版社、日本僑報社を創立。月刊誌「日本僑報」(日中両国語)をはじめ、様々な書籍を出版しています。

 

ジェフ「たくさん本ありますね。

「そうですね」

ジャフ「何冊ぐらい出してる?」

180冊になります」

ジェフ「どんな本が多いですか」

「中国のことを日本に紹介する、それから中国のことを日本に紹介する。そういった相互理解のための」

ジェフ「なるほど」

 

〔『中国人の日本奮闘記』『もう日本を恨まない』〕

うちで出している本は石より硬い本ばかりで、あまり売れませんが、よい本です。と段さん。

 

〔『在日中国人大全』6年の歳月をかけ'98年出版〕

一番最初の記念すべき本は『在日中国人大全』です。10年前に、日本で活躍する在日中国人1万人のデータを集めました。

 

〔(当時)新聞などでは在日中国人に対するマイナス面の報道が多かった)〕

「中国の報道は、ご存じの通り、外国人のマイナス面の方が報道が多かったですね」

「私の接触している(知っている)中国人はみんな真面目、みんな頑張っている。」

「中国を日本の主流社会にどう発信したらいいか。やっぱり(日本人に)説得力あるのはデータ。そういうのが一番いいのじゃないかと思いまして」

ジェフ「なるほど、なるほど」

 

頑張っている中国人を知ってもらい、交流のきっかけになればと思いました。

 

〔池袋〕

池袋は東京でも特に中国人が多い地域です。

ジェフ「このへん中国語の看板いっぱいあるんですね」

「そうですね」

ジェフ「これは派手で、中国の店でしょ」

 

〔豊島区の中国人の外国人登録者は現在約1万人、通勤通学を合わすと約2万人〕

「登録している中国人だけでも約1万人で」

ジェフ「1万人」

「それから通勤通学する人、また1万人」

ジェフ「この池袋周辺で、ですか」

 

去年、中国人の外国人登録者数は、およそ607000人。朝鮮韓国人を抜いてトップです。中国人との関係はますます重要になってきます。

詳細その1

 

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〔日中の架け橋になりたい〕

 

〔日本人は中国語で書く、中国人は日本語で書くコンクール〕

ジェフ「段さん、ずっと手に持っているこのポスターは何ですか」

「これは中国人の日本語作文コンクールと日本語作文コンクールのポスターですよ」

ジェフ「日本人は中国語で書く、中国人は日本語で書く」

「そうです。翻訳なしで直接それぞれの国の言葉で発信する。

本音出し合う、出しやすいと思う。解りやすい。」

 

〔日中コンクール第3回受賞作品集〕

お互いの言語で書き、より深く相手の文化を理解する。今年で四回目ですが、中国からは毎年2000本近い応募があります。知り合いの店に自らポスターを。

「今年のテーマ」は、(論文部門)日中WINWIN関係を築くには、と(ノンフィクション部門)私の知っている中国人です。

 

〔ポスター掲示を依頼した小尾羊池袋店で〕

ジェフ「あの、段さんはどんな人ですか」

(小尾羊の方が中国語で)「私はすごく尊敬しています。きちょうめんで学者のような人です」

ジェフ「自分のことをよく言っているのを訳すのは、ちょっと。難しいでしょう」

「そうです」

(小尾羊の方に中国語で)「私が赤面したのはあなたが私のことをほめたからと言っています」

 

1958年湖南省に生まれて〕

中国湖南省で生まれ、建国の父毛沢東と同じ出身であることが誇りでした。

共産党の青年組織が発行する中国青年報の記者となり活躍。

「中国共産党をとても忠誠していました」

 

〔天安門事件('89年)〕

その考えが変わったのは、89年の天安門事件でした。

民主化を求める多くの学生が血を流しました。

「本当にいたましいことになって大変なショックと、真実を取り上げたくてもできないです。党の方針はそういったものでしたから。

悔しいし、しばらくすると、このままでは中国はだめになる。

自分の将来も見えなくなったということですね」

 

〔来日〕

先に留学していた奥さんを追いかけ来日。アルバイトをしながら将来を模索しました。

 

〔新聞の政治風刺漫画に驚き〕

ジェフ「日本はどうでした、最初」

「最初日本に来た時、びっくりしたのは新聞紙面の政治風刺漫画かな」

ジェフ「風刺漫画」

「そうです」

ジェフ「何で驚くのですか」

「(本人とわかる)似顔絵で批判している。」

 

〔「08年7月1日毎日新聞朝刊 針のむしろに座る福田総理」〕

「中国では指導者、とくに現役の指導者に(そんなことをしたら)クビにされる」

この国なら自分のいいたいことが言える。言論の自由があると思いました。

 

〔ブログを編集する段がクローズアップ〕

 

〔毒ギョーザ事件で〕

今年2月の毒ギョーザ事件。自身のメールマガジンでは、はっきりとこう書いています。

(日本僑報電子週刊 第721号 2008220日(水)発行)

 

〔中国は、被害者に対して「お見舞い」「慰問」の気持ちを示すべきの文字が流れる〕

「誰の責任か それを追及する前に被害を受けた方々(日本人に)、中国の指導者として、いち早く見舞いの言葉を述べたらよろしいのではないかと」

 

中国では考えられなかった指導者への苦言。離れたから言える祖国を愛する気持ち。

 

〔日本のマスコミの問題点 長野聖火リレー〕

そして、日本のマスコミの問題点も指摘します。長野で行われた聖火の報道です。

「当日、私は長野の現地に行ってたくさんの写真を撮りました。例えば、この1枚、中日友好、日中友好を主張する学生達です」

 

ジェフ「両方の国旗で、『2008年 北京頑張れ』『2016年 東京頑張れ』なるほど」

 

〔五輪の旗と日本の旗中国の旗が並んでいるところも多い。〕

「例えばこの旗、オリンピックの旗、日本の旗中国の旗。そういった、並んでいるところも多いですよ」

 

〔日本のマスコミは、中国国旗のシーンだけ放送〕

ジェフ「そういうような報道は、日本ではされてないですね」

「日本のマスコミは中国の旗だけをとらえて、結局番組を報道するとき、そのシーンだけ報道する」

詳細その2

 

〔写真紹介

「東京オリンピックを応援する在日中国人」

「日中の学生たち」〔一つの世界一つの夢と中国語で書かれたカードを前に)〕

詳細その3

 

〔中国語サークル(漢語角西池袋公園)毎週日曜日14時〜17時 参加費:無料〕

実際に接してみると、中国のことを好きな日本人は多い。

 

〔漢語角参加者の声〕

「どうも〜」

「おはようございます」

 

去年の8月からはじめた中国語サークルでは、

日本人は中国語で、中国人は日本語で、自己紹介をして、交流を図ります。

参加人数は丁度半分ずつです。

 

〔中国人参加者〕

「日本の人はやさしいです。国は違うですが、でもみんな友達になることができます」

「両方とも自分の祖国です。日本でも中国でも両方ふるさとだから」

 

〔田尻氏に漢語角から感謝状贈呈〕

「敬意と感謝を持って…」

この日は特別ゲストとして四川大地震の日本国際緊急援助隊医療チーム田尻和宏団長を招き、感謝状を贈りました。

 

感謝状

日本国際緊急援助隊医療チーム団長

田尻和宏殿

 

あなたは中国四川大地震に際し

緊急救助医療に尽力され

日中友好に多大な貢献をされました

深甚なる敬意と感謝を申し上げます

 

平成二十年七月一三日

 

現地での援助隊の活躍、そして死者に対する黙祷は、中国の人々に感謝と深い感動を呼びました。

 

〔人と人〕

(漢語角で記念写真を撮りながら)段さんは言います。

「私たちはとてもよく似ています。きっとなかよくなれるはずです」

 

〔「自由に発信できる国、中立の人」〕

ジェフ「最後ですが、段さんにとって日本とは、そして日本に取って段さんとは」

 

〔色紙に書く段〕

ジェフ「何を書きましたでしょうか」

「はい、どうぞ」

 

〔色紙:自由に発信できる国 中立の人〕

 

〔段さんにとって日本とは〕

「自由に発信できる国」

「私は日本に来て17年ですから、日本でジャーナリストとして存分に自分の力を発揮できるようになったと思います」

 

〔日本にとってあなたとは〕

「中立の人」

「中立じゃないとジャーナリズムはよくない。中立であることは結局、日中友好相互理解にも繋がっていくと信じています」

 

〔ポスターをあちこちの店に貼る段〕

「ジャーナリストとして外から祖国を変えていきたい」

日本と中国、二つの国を愛する自分だからできることがある、と段さんは信じています。

 

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〔ムーブ!放送スタジオ〕

 

スタジオ「改めて、この中立という言葉が大事ですね」

 

スタジオ「そう思いました。同じビルの中に旅行社で、中国人の人がやっているのがいるんですね。たまにエレベーターの中しゃべったりするんですけど。

 

大分前に、「おはようコール」で中国に行かせてもらった時に、非常に面白い本を手に入れてきて、それのね、翻訳を頼んだりしてたんですよ。ですが、日本と中国の違いを、彼らも訳せないという。なんでときいたら、新しい世代だから、古い本はわからないと。そういうコミュニケーションもとれました。大事なことはこういうことだと思います。」

 

〔中国大使館等の映像が流れる〕

 

スタジオ「この番組の頭でも、随分中国のやっかいな話を取り上げてきました。ただ、住んでいる人達を憎んでいる訳でない」

 

「国と国、人と人。国と国とはあるときには、どうにもならない。支えている人と人で考えたい」

「中立というのは、ジャーナリストは、本当に両方の視点を持つというのが大事。今はなんとなくある側から。なんかこういう歴史の問題など、こちらサイド、あちらサイドというと喧嘩になってしまう」

 

司会「確かに、ジェフさん、中国人と日本人、アメリカに住んでいたら、さして区別は付かないでしょう」

ジェフ「いや、僕は興味がありましたら…。でも、多くの西洋人にとって、中国も日本も韓国も一つの大きなアジアです。段さん自身も、中国も日本も非常に仲良くしているの(期間)が長い。仲が悪くなった期間が短い。仲よい形を保つように作っていきたい。人と人 国と国となると、旗が来るとか オリンピックの時何を応援するか、熱が入りすぎては。それを彼が非常に冷静に中立の立場を貫くというのは。出版社という仕事を選んで、ジャーナリストと2つのことをやるのは…」

 

スタジオ「あれだけの本を出せるというのは、対ジャーナリストだけでなく、対経営者としての力でしょうね。この出版不況の中で。」

ジェフ「そうですけど。実は、奥様の方が経営が(笑いが起きる)」

 

司会VTRで出てきた、日本人の中国語作文コンクール。締め切りが930日」

「あ〜、まだまだ募集中なんですね」

司会「大学生の夏休みの課題などにいいかも是非書いてみてください。パソコンで「日本僑報社」をクリックして下さい。華僑の僑です」

 

スタジオ「日本人で、こういう新聞社を作っているヤツ見たこと無いね。そこらがぜんぜん中国人と日本人と違うね」

 

ジェフ「彼は日本のものを中国人にあてても出版しているのが偉いと思います。両国のほうに流そうとしている」

 

司会「ジェフさん、ありがとうございました」

ジェフ「ありがとうございました」

 

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動画をご覧になりたい方は

以下のサイトをクリックください

 

雰囲気を見ていただくために、デジカメで撮影したものです。

その一

その二

その三

 

ほかの視聴者よりアップされた番組映像もあります。

前半

後半

 

ありがとうございます。